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徒然に思いついたことを・・・
by f-liberal
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野宿生活者(ホームレスの人々)-(2)-


 ここのところあまり参加していないが、毎月1回、野宿生活の当事者及び支援者と合同での夜回り巡回がある。支援ボランティア団体が動き始めた当初は支援者のみによる巡回だったが、当事者との交流が始まってからは巡回に当事者の人達も加わるようになった。

 その過程の中で、当事者が野宿生活に至った理由を幾つか聞いた。いわゆるホームレスの人々に一般の人が抱く印象は「怠け者」とかいうお決まりの偏見がまだまだ多いだろう。

 しかしながら、好き好んで野宿(路上)生活をしている人はまずいない。大抵は、職を失ったりしたことをきっかけとしている。会社勤めしていた時は会社の寮に入っていたが、解雇によってそこを出ざるを得なくなり、その後仕事が見つからず路上で寝泊まりせざるを得なくなるなど。

 勿論、持ち家があるとか家族その他の支えがある人はリストラという名の雇用調整(解雇)にあったとしても直ちにホームレス状態に陥ることはないだろう。そうなる人々は、家族がいないとか、いても何らかの事情で関係が途絶えてしまっていることが多い。人は苦難に直面した時にこそ家族や他人の助力や支えを必要とするが、残念ながら世の中の全ての人がそれらを受けられる恵まれた環境に生きているわけではない。苦難に直面しても誰の助けも受けられない人々の中からホームレス状態に陥る人が出てくることになるのだろう。

 本来は、そういう人達の最低生活を支える社会保障が生活保護制度として存在する訳だが、これを運用する福祉事務所が憲法・生活保護法の法令・趣旨に則った真っ当な仕事をしていない。していないどころか違法不当にも真に保護を必要としている人達にできる限り「保護を与えない」というような対応を取っているのが現実だ。当地でも支援活動が始まる前は、野宿生活者は門前払いで生活保護の申請すら福祉事務所は受け付けなかった。

 たまたま仕事や収入を失っても、蓄えがあったり、再就職ができたり、支えてくれる人がいたり、持ち家があったりする人はまだ幸せだ。それがない環境にある人達は、いつ何時自分もホームレス状態に陥るか分からない危険を有していると言って良いだろう。そういう時のために俺たちは政府を作り税金を納めているのだから、要らない道路やダムを作ったり戦争に加担して人殺しをすることを政府に止させて、国内で困窮している人々の支援をしっかりするように要請しよう。

 ちなみに、当地では支援団体とは別に当事者団体も出来て、月1回の巡回の他、不定期で炊き出しや繁華街での街頭行動もやっている。街頭行動では、当事者達が牛乳パック等を再利用して作成した手漉きの葉書やカレンダーなどを販売しながら野宿生活者への理解と支援を訴えかけている。
 
 これらの活動を通じて野宿生活から脱することが出来た人達も何人かいるが全ての人達が再就職などによって野宿生活から脱することはなかなか難しい。特に、50代後半や60歳以上の高齢者は仕事がないのが現状だろう。

 社会保障は本来は国が果たすべき職務だ。民間の支援ボランティアが何かをしなくても済むようにしてもらいたいものだ。

 それから、当地の野宿生活者の寝所の一つに駅の構内があった。何も一日中そこに居座るわけではなく、駅を行きかう人も少なくなる深夜から早朝にかけて駅構内の隅の方で寝ていたのだが、駅の管理者側はそこへ水を撒いて寝られないようにしたりという嫌がらせや駅舎からの排除を行い寝られないようになってしまった。

 こんな田舎で深夜になれば駅の人の流れもほとんどないんだからケチケチせずにその時間だけ寝かしてくれても良いだろうに。始発が動き出して人の流れが出てくる時間帯になれば野宿生活の人々もまた別の場所に移動するんだから。

 排除排除の情けない社会の一面がここにも表れている。
by f-liberal | 2004-12-01 18:20 | 社会
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